盗作とオリジナルの境界とは?~様々な手法から知る作品への眼差し~

近年、さまざまな世界で話題になっている盗作・パクリと言った問題。他人の著作物を模倣するのは良いことではない…だれもがそういった認識は持っているでしょう。しかし、その一方で境界線が微妙でわかり辛いのも事実です。 - 「パクリ」とは一線を画す創作手法

「パクリ」とは一線を画す創作手法

コラージュでつかう素材は盗作とみなされるか?
現代絵画の技法に「コラージュ」というものがあります。雑誌や新聞の切り抜きをはじめ服のボタンや植物など、様々な素材を集めて組み合わせる手法です。
一見ちぐはぐな物を組み合わせ絵とすることで、独特の魅力が生まれます。

しかし、上記の説明からもわかるとおり、素材の中には新聞紙の切り抜きなど他者の創作物があり、組み合わせ方によっては著作権の問題が浮上します。たとえば「服のボタン」などは、工業品であり特に問題はありません。

ですが、「服にプリントされた絵」ともなると話は違ってきます。つかい方にもよりますが、販売してしまえば「パクリ」とみなされることもあるそうです。大まかに考えれば「作品を構成するパーツであれば大丈夫」となるでしょう。

著作権が切れた作品、いわゆる「パブリックドメイン」ならばコラージュで使用しても問題ありません。ただし、別に「著作者人格権」というものがあり、著作者の人格的不利益になる場合は用いることができなくなっています。

簡単に言ってしまえば「もとの著作者が見たら怒りそう」な使い方はできない、といったところでしょうか。上記のことから、コラージュは行う側がしっかりと知識をつけ、細心の注意を払ってつくるべきものだと言えるでしょう。

既存の曲を利用する「サンプリング」

ヒップホップには、ほとんど「パクリ」といっていい手法があります。「サンプリング」といい、既存の曲の一部を加工して用いるものです。すでに確立された手法ではありますが、ときに論争を巻き起こすこともあります。

ニューヨークで生まれた手法「サンプリング」
音楽、とりわけヒップホップでは「サンプリング」と呼ばれる手法がよく用いられています。言葉の意味合いとしては「引用」に近く、既存の曲から抜き出した一部のフレーズに手をくわえ、自らの楽曲に使用するものです。

しかし引用などとは違い、サンプリングもとの曲を明記したり公言したりすることはほとんどなく、多くの場合は無断でつかっています。サンプリングが許されているのは、ヒップホップというジャンルの歴史が関係しているようです。

今では商業としての音楽ですが、もともとはニューヨークの一部コミュニティで流行っていたものでしたから、別に既存の曲をつかっても問題ありませんでした。つまり、はじめは「遊び」として内輪向けにやっていたということです。

ですが、時代とともに大きな利益を生み出せるようになったため、とうぜん権利問題もでてきました。それによって、有名な原曲をそのまま使うことが難しくなり、既存の曲を様々に加工して用いるようになっていったそうです。

ですから、サンプリングを知らない方が聞くと「パクリ」に聞こえてしまうものもあり、ときに問題へと発展します。ある意味では、もっとも「盗作」に近い手法ですが、すでに確立されていますので、なくなることはなさそうです。