盗作とオリジナルの境界とは?~様々な手法から知る作品への眼差し~

近年、さまざまな世界で話題になっている盗作・パクリと言った問題。他人の著作物を模倣するのは良いことではない…だれもがそういった認識は持っているでしょう。しかし、その一方で境界線が微妙でわかり辛いのも事実です。 - 盗作行為と勘違いされる「トレース」

盗作行為と勘違いされる「トレース」

本来はしごくまっとうな絵画技法
絵画技法のひとつとして「トレース」というものがあります。元となる絵の上に紙を置くなどして、上からなぞってコピーする行為のことです。用法はさまざまで、個別に書いた絵をひとつの構図に入れるときなどに用います。

他にも、自らの画力を向上させるために行うこともあるようです。とは言うものの、トレースで実力を向上させるためには、なぞる絵に込められた多くの技法を分析する目と経験が必要であり、ある程度の知識と実力が欠かせません。

なんにしろ、トレースは技法であり、基本的に盗作とは関係がないものです。しかし、他人の絵をトレースしたものを、自分のオリジナル作品のようにふるまって発表する人が増えたため盗作の手法とみなされることも増えました。

一時期、インターネット上でトレースによる盗作が話題になったためか、トレースそのものを盗作技法ととらえる方も少なくないようです。確かに他者の作品をなぞることもありますが、本来は上記のような目的では行いません。

あくまで、トレースは絵を描く方法のひとつであり、悪用しない限りは非難される必要のない行為です。ですから、もし「トレースした」という発言を見たのなら、安易に非難せず、どういった意図があるのか確認するべきでしょう。